オタクの虚妄奇譚

実在の人物、団体とは一切関係ありません。

文化祭エンジョイジャニーズ


秋ですね。
秋といえば文化祭。今年はないのかな。
学校によっては催し物だけだったり、模擬店もあったり。
私の母校はバンドやったり、模擬店あったり、わりと本格的にやってた学校なのでこの時期は少しそわそわします。

まぁほぼ女子校なんですけどね!!!!!






文化祭実行委員@深澤辰哉

実行委員やってそう。他薦で。

「えぇ〜おれやんの❓わら❗️」

って。

斜め後ろの席の深澤くんと一緒に実行委員になりたいな。
ちなみに私は他薦は他薦でも押し付けられた。

「よろしくね〜」

ってニコニコ笑ってる深澤くん。
派手な感じはしないのに、いつも周りに人がいて楽しそうに笑ってる深澤くん。
学校で1番可愛いあの子と付き合ってる噂がある深澤くん。
地味な私を笑ったりからかったりせず、女の子として普通に接してくれる深澤くん。
そんなん好きになるやん。恋やん。

「重いっしょ、おれ持つよ!」

って荷物も持ってくれるし、委員会の仕事で遅くなったら駅まで送ってくれる。

うちのクラスはお化け屋敷をやるので結構準備が大変で、ちょきちょきぺたぺた毎日やっても終わらない。

「○○ちゃん、どっちがいい?」

いつの間にかちゃん付けで呼んでくれる深澤くん。優しい声がくすぐったい。
ミルクティーとココアを持つ深澤くんの左の手を指差しココアを受け取る。

「ありがとう」

「いいえ〜、毎日頑張ってんもんねおれら!」

人気のなくなった放課後の学校で、今まで少し引け目を感じてた深澤くんといろんな話をしたい。

「文化祭誰か呼ぶの?」

「うーん、他校の友達と家族かなぁ
深澤くんは?」

「おれも!中学んときの友達と〜、あと妹が来たいって言ってたな」

「深澤くん妹さんいるんだ!
似てる?」

「んー、ちょっと似てるかな〜
○○ちゃんは兄弟いる?」

「私はね〜、、」

どうでもいい話を、くだらない話を笑いながら出来るようになるなんて少し前には想像もしてなかったのに、並んで座って目を見て笑って、駅まで送ってもらって、下の名前で呼んでくれて。
もしかしたらって期待する。

「休憩の時どうするの?誰かと回るの?」

「友達と時間合えば回ろうかなって思ってる
深澤くんは?」

「彼女が怖がりなくせに、おれがお化け屋敷作ってるよって写真見せたら行きたいって言っててさ〜
うちのお化け屋敷と、あとは翔太のクラス行ってやろっかな〜」

「そっ、、か
深澤くんの彼女さんってどんな子?」

「4組の△△って分かる?あの子!」

「△△ちゃん?去年同じクラスだったよ
可愛くていい子だよね」

「そうなんだよね〜」

いつもよりずっとずっと優しく笑う深澤くん。
痛いほど苦しくなる。
噂のあの子じゃないけど、だけどやっぱり可愛くて優しくて女の子らしい素敵な子。
ココアをくれるのも、駅まで送ってくれるのも、下の名前で呼ぶのも、目を見て笑ってくれるのも、深澤くんにとっては全然特別なことじゃなかったんだなって思い知らされる。
どうでもいい私にこれだけ優しいのなら、好きなあの子にはどれだけ優しく愛を持って触れるんだろうか。

文化祭当日、お化け屋敷から出てきた怖がりぎゅうっと深澤くんの腕にしがみついたあの子と余裕そうに優しく笑う深澤くん。
溶けてしまいそうなほど優しく笑う。

人並みの中で私に気付かないまま歩いていく2人を見て、話しかけてくれた同じクラスの目黒くんとのお話はまたいつか。





文化祭当日@有岡大貴

有岡くんは1つ上の先輩。
明るくて優しくてみんなの人気者。
バスケ部の練習する体育館にはよく女の子がいるし「大ちゃん先輩〜♡」なんてチヤホヤされてる。

そんな有岡くんの彼女になりたい。

「大ちゃん、14時から休憩だっけ?」

「うん、○○もでしょ?
終わったらすぐ迎えいくから」

「ありがとう」

有岡くんのクラスはカフェかなんかで、うちのクラスは縁日みたいな出し物系。輪投げとか。
14時になって、次の当番の子と交代して少し待ったけど有岡くんは来ない。
クラスへ行くとばたばたと忙しそうな有岡くん。

「○○、ごめんね
ちょっと待っててもらっていい?」

「うん」

席に通され、私の好きなパイナップルジュースを持ってきてくれる有岡くん。絶対彼女の好きなもの覚えてるタイプやで。

思っていたより大盛況のそこは、大ちゃんのクラスメイトが、私が知らない大ちゃんを知る人たちが忙しそうに、だけど楽しそうに接客をしている。
あちこちから、有岡とか、大ちゃんとか、そんなふうに彼を呼ぶが聞こえてくる。

「人気者だねえ」

「いのおせんぱい」

いつのまにか向かいの席に座っていたふにゃふにゃと笑う有岡くんの隣のクラスで仲良しのいのおせんぱい。

「せんぱい何してるんですか?」

「俺今休憩なの」

「せんぱいのクラス何やってるんですか?」

「うちね、クレープ
美味しいよ」

「じゃあ後で行きます」

「大ちゃんと?行けるかなぁ」

同じクラスの女の子の先輩と楽しそうに肩を寄せて話す有岡くん。
相手の手は有岡くんの肩に置かれてる。

「俺と行く?」

頬杖をついて柔和に笑いながら私を見つめるいのおせんぱい。

「行かないよ」

そう言ったのはさっきまで別の子と話してた有岡くん。

「なんだよいのちゃん、人の彼女ナンパすんなよ!笑」

「いやぁ大ちゃん遅いから」

けらけらと笑ういのおさん。

「(クラスの女子)が彼女来てんだからさっさと行けって」

「じゃあ俺もクレープ焼きに戻ろっかな」

そう言って行ってしまういのおせんぱい。絶対焼いてないくせに。後ろで座ってクレープの材料のフルーツとかちょこちょこ食べてる。

「ごめん、遅くなって
行こっか」

「うん」

当たり前のように手を繋いでくれる有岡くん。すきめろ。

実は伊野尾くん、ちょっとだけ私のこと気になってたのに有岡くんの彼女として紹介されてその気持ちに蓋をしてたらいいな!!!!いのあり!!!!ちゅきちゅき!!!!





後夜祭@矢花黎

体育館では軽音部や有志のバンドが演奏をする。
それなりに人気のあるステージで、体育館は大賑わい。
ステージ下手、向かって左手でベースを弾くのは1つ年下の幼馴染やばな。
優しくて、人生2周目?ってくらい落ち着いてる矢花くんは年上の私をいつも見守ってくれる。恋。愛。挙式。

じんわり汗をかいて、ライトに照らされる矢花くんが知らない人みたいにかっこよく見える。
少しだけ、寂しさを感じてしまう。
自分の知らない矢花くんがいることを知ってしまうから。

文化祭が終わり後夜祭前の後片付け。
ゴミを捨てに行くとそこにはやばな。

「黎くん」

「○○ちゃん」

「ステージ見たよ、かっこよかった」

「ありがとう
俺も○○ちゃんのクラスのたこ焼き食べたよ」

「本当?ありがとう
黎くん来てくれるならお店立ってたら良かったな
私看板持ちだったから」

「看板持ってたの?」

「うん、たこ焼きの被り物して看板持ってたよ」

「マジで?それはちょっと見たい笑」

「たこ焼き被って見に行けばよかったな
そしたら黎くんから見えたかな」

「バスケゴールの近くでしょ?
ちゃんと見えてましたよ」

チャイムが鳴る。後夜祭が始まる。
遠くに楽しそうな笑い声が聞こえる。

「後夜祭、、始まりましたね
行く?」

「ううん」

しゃがみ込む私の隣にしゃがむ矢花くん。

「黎くんは?行かないの?」

「あんまり得意じゃないんで」

秋の夕暮れに校舎裏で2人でお話したい。
好きだと伝えられるのはもう少し先のお話。















投稿時間am7:40
朝イチで書いて投稿する自分マジで暇な陰キャ